幻月幻夢

だが、今は泣こうが拒もうがどうにもならない。


なら、この世界を知って帰る方法を探そう。


「分かった。」


「じゃあ俺は、廊下にいる。準備が終わったら出てこい。」


紫刹はそう言うと、部屋から出て行った。


「さて、タンスの中に服って言ってたよね。」


タンスへ行き開けるとそこには沢山の服が並べられていた。


「凄い量・・・。」


生地を触るととても肌触りがよく高いものなのだろうと分かる。


私は、紺色のワンピースに着替え髪を後ろで束ねると部屋のドアを開けた。


「終わったか。・・・何故髪を結んだ。」


「この方が動きやすいと思って。襲われたりしたら逃げなきゃいけないでしょ?」


「そうか。」


「っつ!?」


急に紫刹に髪を触られ、驚いたがもっと驚いたのが紫刹は私の髪を優しく撫で寂しそうな顔をしていたからだ。