幻月幻夢

「お前は、もう戻れない。この世界から。」


「昨日、鳥勾も同じことを言っていたわ。」


「鳥勾?」


「ヒッポグリフのことよ。」


「名前をつけたのか。…お前はあれと仲が良いのだな。」


「鳥勾は、あなたと違って冷たくないから。」


「…そうだな。それより今日は出かける。タンスに服が入っているから、後で着替えろ。」


「どこに行くの?」


昨日の話だと私は命を狙われる。


この建物から出たら危険ではないのか? 


「今日行くところはそんな危険な場所ではない。それに我々がお前を守るから安心しろ。」


「お前を守る」なんて言葉は普通なら、ときめくかもしれないが今はときめかない。


危険な場所に連れてきた張本人の言葉だからだろう。