驚いた顔でたずねてくる
謎のおじいさん。


こんな弱そうな小さな身体で
なぜそんな大きな声がでるのだろう。



「はっ・・・はい。」



おじいさんは目を泳がせ
あわてている。


「あの・・・」



おそるおそる声をかける。



言葉を話す不思議なアリは
人間がいることを
不思議がっていた。
おじいさんはさっき
森のみはりだといっていた。


人間だと告白した私は
ここでころされたりするのだろうか・・・。



それだけはごめんだ。
迷い込みたくて迷い込んだのではない。
ただ学校に行こうとしたら・・・
なぜかここにいた。



「なぜここにいる。」


「えっ・・・私。学校に行こうと・・・。
そしたらなぜか・・・。」



ダメだ。
もう終わりだ。
夢なら早く覚めて!



「人間が来たのは100年ぶりじゃ。
わしは仙人じゃ。
なにかわからないことがあったら
みかけたときにでもきいてくれ。」


おじいさん・・・
いや、仙人は笑顔でそう答えた。