ここは秋の季節かな?
涼しい風邪とともにとんぼがたくさん飛んでいる。
「だいぶ歩いたね。」
話し相手ができてすこし気が軽くなった私。
暇があればちびちゃんに話しかける。
「そうだね。…って
僕は君の肩に乗っているだけだけど」
笑ってちびちゃんが答える。
「確かにそうだね。多分もうそろそろベンチが
あるとおもうんだけど…。」
「ベンチ?」
私は今までに会ったベンチのことを話した。
「最初にアリの町にいくときに
ベンチをみつけたの。
座っていたら重いよーって
ベンチが喋ったの。
アリの町からカタツムリの町に
行くときにも、ベンチがあって重いから
座っちゃいけないなぁっておもって
通り過ぎようとしたらね、そのベンチ、
すわれーってゆったの。」
「うんうん。」
「ベンチにもいろんなベンチがあるんだなって
思ったんだ。」
「君は人間だから重たいもんね。」
くすっと笑いながらチビちゃんが言った。
「それ、ベンチも同じ事いってた。」
私も笑ってチビちゃんに返した。