涙が地面に落ちると
強い光が目の前を覆った。
「わっ・・・」
地面は土に。
辺りは木々に。
空は快晴に。
なにこれ。
桜の花びらが舞う。
せみの声。
トンボが飛んでる。
雪だるま。
ここは・・・
「うわ。人間。」
声がしたほうをむいても
なにもいない。
いるのはちっちゃなアリ。
きょろきょろ辺りを見回していると
「踏むなよ。人間。」
え?
アリが喋った?
驚いてしゃがみアリをみると
「なんだよ。人間。」
「え?」
「変な顔してみるな。陰になって邪魔だ。人間。」
わたしは・・・・
とんでもない森に迷い込んでしまった。

