不思議な森




もしここでまた涙をながしたら
その涙が床に落ちて現実の世界に
戻ってしまうのか?



すぐなける。
いますぐにでも泣ける。



けど、もしも涙で世界が変わるなら
わたしはまだ涙を流したくない。
もう少しだけこの世界にいたい。



ベンチが話していた妖精にもあっていない。
他にも話せる動物がいるかもしれない。
できることなら後悔しないくらいこの世界にいて
家族やクラスのみんなに尽きることなく
話せるようになりたい。



昔からお母さんの読む絵本が大好きだった。
絵本の世界の中では小鳥が言葉を話していたから。
もしも自分がこんな世界にいけるなら
誰も体験できないような世界にいけるなら
とことんその世界を味わってから
帰ってやろう。
そう、思ってた。



まさか本当にこんな不思議な世界に迷い込むなんて。

思ってもいなかった。



もしこの世界を満喫して現実世界にもどったら
えほんを書こう。
えほんの世界ではアリが話すことや大きな赤アリがいること、
それよりも何倍も大きいカタツムリのことや
背の低い仙人。そして話すベンチ。
そしてこれからのこの世界での体験。




空を見上げる。
少し暗くなってきた。
うっすらでる月がきれい。




「わぁ・・・。」



ここでの風景は最高だ。
神秘的で幻想的で・・・
なんともいえない感動がある。



うっすら顔をだす月のうえから
雲がかかる。
そしてまた雲が通り過ぎて
つきが顔を出す。
この繰り返し。