不思議な森





一瞬にしてあたりが静かになった。



「人間にステーキをあげたから・・・
私たちのエサがないの。」



・・・私のせいで・・・


「ごめんなさい!」


私はステーキの残りをアリたちの
もとへ持っていった。




「これ、食べて・・・。
私はもういいから。
お願い。食べて・・・。」



「すまん。」
「ごめん。」
「ありがとう。」



赤アリたちはステーキを食べ始めた。


私のせいで赤アリたちはエサを
食べることができなかった・・・
ごめんなさい・・・



赤アリたちは自分ひとりが食べることなく
器用に手足を使って後ろにいる
アリたちにもエサを与えている。



「本当にごめんね・・・」



「いえいえ。逆にありがとう。」


一匹のアリがそういった。



疑って本当にごめんね。
あなたたちは優しいんだね。


私の住んでいるところの
アリもね、そうやって
エサを巣まで持っていくの。


「じゃあおやすみなさい」


私はアリたちを踏まないよう
ゆっくりと部屋に戻った。