いままで一番大きなアリをみたのは
親指の第一関節くらい。
家の前に2、3匹ほどいて
とても驚いたことを
いまでも覚えている。
空がうっすら夜空に近づいてきたとき
やっとアリの町につくことができた。
「ここが…。」
とても小さな声で呟いたのに
そこにいた何千匹のアリは
いっせいにこちらをみる。
「あ。さっきの。人間。」
そういったのは
たしかさっき迷い込んで
すぐにあったアリ。
「こんばんわ。」
「なにしにきた。人間。」
さっきのアリはアリの中でも
大きいほうらしく
さいころの上に登って
何千匹というアリに
何かの話をしているところだった。
「あの…行き場がないの。
今日泊まる場所も。
だから…」
言い終わる前にアリが言う。
「なら一晩ここに止まりな。
アリの館に行けば赤アリがいるはずだ。
赤アリを褒めまくればベットひとつくらい
貸してくれる。人間。
今はアリの会の途中だ。人間。」
アリはこれだけいうと
またアリの会とやらを
はじめた。
私はアリの館に行くことにした。

