「あんたが座ってるいすだよ!
いい加減重いよ!
疲れたよーー。
僕が座る椅子はないんだから。
ずっつと立ってないといけないんだ。
そろそろ疲れたよ。
降りてくれ。」
早い口調で話す…
い…す。
「え、あっ、ごめんなさい。」
冷静に謝るも心はすごく動揺している。
「いや。いいんだけども。で、あんたは
人間かい?」
椅子が私に話しかけている。
目も鼻も口もついていない。
ただ声だけが聞こえる。
やっぱり不思議な世界。
「人間…です。」
「そうか…。
この森に2人も人間がいることになるのか。
俺は…嬉しくねぇな。
どおせ疲れたらまた座るんだろ?
アリや妖精らは軽いんだがー。
あんたらはどおも重い。」
…この森には妖精もいるんだ…
「ごめんなさい。…
アリの町に行こうと思ったんだけど
なかなかつかなくて疲れちゃったの。」
「アリの国はもうすぐそこさ。
赤アリはでかいからな。
気をつけろ。機嫌をとらないと
かみ殺される。」
赤アリが…でかい…。
「ありがとう。」
私はそういうと再び歩き始めた。

