「………あの…さ…」

誰もいない廊下に私の声が響いた。

「何だよ…」

「今日は、ありがとう…ね。助かっちゃった…」

私は、俯きながらお礼を言った。

「別に…たいしたことは…」

「ううん!!!!大したことあるよ!!!」

私は、顔をあげ、水野を真っ直ぐ見た。

「水野がいなかったら私、今頃独りで泣いてたよ。本当にありがとう!!!!」

私は、もう一度水野に笑顔でお礼を言った。

「お、おぉ…」

水野が少し赤くなったような気がした。

「……??どしたの?」

「な、何でもねぇよ!!!」

水野が慌てながら声を張り上げた。

「そ?ならいいけどさ」

「そ、それより、もう暗いし送ってく。」

「え!?いいよいいよ!!!なんか悪いし…」

窓を見ると確かにもう暗くなっていた。

「俺の家の近所だから、そう変わんないし。大丈夫だから」

「じゃあ、お願いします…」