翌日。


私とリオンは、国境付近にいた。


「んで、マジでついてくるの?」


私の前を歩くリオンが、顔だけ私に向けて尋ねる。


「うん」


私はそれに頷く。


「うーん、君がいいならいいんだけど……」


リオンは立ち止まり、体ごと私に向ける。


「君って戦うのとか嫌いじゃなかった?」


「嫌いだよ?」


「それなのについて来ちゃうの?」


「君と一緒なら、私は何処にでもついていくよ」


そう言うと、リオンは何故か半眼になって、


「君って、たまに恥ずかしい台詞を堂々と言うよねー」


そう言って、リオンはまた歩き出す。


私はそれを追って、彼の隣に並ぶ。


「リオン」


「ん?」


「これから何処に行くの?」


「んー……北」


「北には何があるの?」


「なんか雪山で神獣が暴れてるらしいよ」


「つまり、その神獣を消しにいくの?」


「笑顔で何怖いこと言ってるの君は……そんな物騒なことはしません」


「じゃあどうするの?」


「お願いするんだよ。一応向こうは神様だしね」


「聞いて貰えなかったら?」


「脅迫します。あらゆる手段で精神的に追い詰めてやります」


「さっき私に何か言ってたけど、君の方が怖いよ」



そんな会話で、私達の旅は始まった。