その日から、心の中ではだめだと思っていても、授業中に斜め前の椎名くんを見ることが多くなっていた。 目が合いそうになったら玲に話しかけたり、我ながら上出来だと思う。 でも、私には湊くんもいるし、椎名くんには明菜ちゃんもいる。 1回振られたくせにひきずるなんて、カッコ悪いよ…。 そうして心の中に押さえ込んでいた。 そんなある日。 廊下でばったり相沢先輩と会った。 「あら」 「こんにちは」