「遼太はもしかしたら彼女なんていないかもしれない」 「そんなことない…」 「え?」 「椎名くんは、嘘をつくような人じゃないよ…。湊くんだって知ってるよね?」 そんな嘘、つかない。 「そうだね…」 しばらく、無言が続いたあと。 キーンコーンカーンコーン 予鈴がなった。 「じゃあ、またね…」 「うん」 ちょっと気まずくなってしまった。