「さて…ここに閉じ込められて何日経ったか…哀れなものだな…」
『純槌((じゅんつい)の魔女とも有ろうお方が…』
「皆まで言うな。仕方ないであろう??【あの女】の体も我とは違う上に、我とてここを出られなければ魔力の塊同然。お前など姿すら無いではないか。のぉ…ヴェルノバよ??」
ヴェルノバと呼ばれたその姿の無い物はしーんと口を瞑った様にも思えた
綺麗な女性は天を仰ぐ様に見上げた
そこにはもう闇しか無い
時間も太陽も日にちも無い
普通ならば狂ってしまう無限の空間
そんな中に彼女は居たーー
「もうすぐ…出会える気がするのだ。」
『ほぉ…何に??』
「そうだな…救世主と言う奴にかな…」
そう言って目に入れる力を少し抜いた彼女の顔は何処か悲しそうで
それを悟った様にヴェルノバも無言の間を空けた
『まさか…まだ彼奴(あやつ)を信じて…』
「…そんな感じがするだけだ。あいつと言う訳では無い。」
『他にあの様な輩が居るとでも…??』
「何百年もこの世を彷徨えば当たるであろうな。末裔と言う者に…」
『戯言を申されるな【ハルジオン】よ。主が彼奴のせいで、どれだけの報いを受け、どれだけの悲しみを背負い、どうしてここに閉じ込められているか。もう1度考えよ。』
ハルジオンと呼ばれたその女性に向けられたのは怒りにも満ちたヴェルノバの声
思い聞かす様に重い言葉を並べたヴェルノバに対し、ハルジオンは1言も返さない
そして口を開いたのはそれから数分経った頃だーー
「しかし見よ…ヴェルノバよ。」
口角を上げた様にも見えるハルジオンの瞳には少しながら白く光った何かが映っていた
『あれは…』
見上げた先には小さな光が差し込む、ボロボロとヒビが入るのが目に見えたー…。
「どれだけ望んでなくていても運は巡り行く物。誰も逆らう事など出来ん。それが例え…魔女でもな。」
