総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】


崩れかけたあたしを支える力強い声。


色をなくした視界は、その人物を求めた。


振り返った先に映った人物。


あたしの世界に色が戻る。


視界のど真ん中に映り、あたしに不思議と安心感を与える。


「大丈夫だ。お前は胸張って真実を受け止めろ。」


その声に、あたしはもう一度前を見る決心が出来た。


「シン‥‥できそこないの片割れって、どういうこと‥‥‥。」


「そのまんまだよ。お前が今まで兄と慕っていたコイツは、俺の"双子"の片割れだ。」


え‥‥‥。


シンとヤミが、双子?


そ、そうなの?あたしはここでも、騙されてたの?