総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】

どんどんネガティブな方向に考えてしまう。


あたしの視界に映るのは、シンとヤミとルイ。


誰かが‥‥足りない。


あたしが最も信頼している人。


大好きだと、大声を張り上げてでも叫び。


どうか離れないでと、声を枯らしてでも伝えたい人。


あたしの理性は壊れかけていた。


あたしは、自分を見失いかけていた。


目は虚ろになり、自分が立っているのかさえ分からない。


ただ、この耳にはっきりと聞こえた声。


それは、貳(ふたつ)


"あたし"を壊す声と"あたし"を支える声。