総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】

その目はあたしに何かを伝えようとしてた。


それと同時に、あたしに何も知られたくない。


そう、言ってるようだった。


だけど、そんな視線に気が付かないシンはさらに続けた。


「気づいてたなら何で言わねぇんだよ。怖かったのか?"真実"を知ることが。」


あたしは、耳を塞ぎたくて仕方なかった。


「さっきも言った通り、お前に兄貴はいねぇ。」


口角を思いっきりあげて嗤うシン。


ヤミの手が小さく動いた。


あたしの視界に映るのは、嘲笑うシンとおねぇさんを抱え未だ蹲るルイ。


そして、震える拳を力強く握るヤミ。


ヤミがストップをかけようとしたのを、まるでわかっていたかのようなタイミングで口を開いたシン。