悔しさが腹の底からこみあげてくる。 殴り倒したくて仕方なかった。 けど、俺は見てしまった。 姉貴は、俺は見てくれなかったのにシンを見つめていた。 どうして、実の弟であるおれじゃなくて、シンなんだよっ。 「ほら、てめぇはもう用済みだよ。さっさと‥‥‥‥。」 シンが姉貴を俺達の方に向かせ、歩かせる。 その後ろで、口角をあげニタァッと気持ち悪く笑ったのが見えた。 嫌な予感がした。 胸の奥がざわついた。 それは、一瞬のざわつき。