握った拳から俺はまだ、自分を保てていることを再確認した。 「スミマセン‥‥。」 俺は小さく総長、ヒサに謝った。 ヒサは俺をちらりと見ると、優しく笑って。 「信じてる。」 力強い目で、俺にそう呟いた。 「残念だったなー。シン、お前の望む物語にならなくて。」 「ッチ。まぁ、いいさ。コイツは返してやるよ。もう使い物になんねぇからな。」 使い‥‥‥もの? なんだよ、それ。 姉貴を‥‥…なんだと思ってんだ!