俺の願いも虚しく、姉貴の視線は未だ空を捉えていた。 悔しくて奥歯を力いっぱい噛む。 「だからなんだ。」 俺を救ったのは、やっぱりヒサだった。 低い声は、俺の頭を一瞬にして冷まさせた。 「はぁ‥‥はぁっ…。」 上手く呼吸が出来ずにいた。 視界がぼやけ、乱れた呼吸が嗚咽へと変わりつつある。 やべぇ、こんなにも乱されてたのか俺は!? 情けねぇっ! 俺は右手の拳に力を込めた。