シンの嗤い声が響く倉庫の中。 あたしは、まるで魔法でもかけられたように動けずにいた。 それどころか、シンの嗤い声さえも耳には入ってなかった。 腹違い? 誰と誰が? アタシとヨウが? 「俺と姉貴。親父は一緒なんだ。お袋が違ぇ。」 あたしは、目の前が真っ暗になったように感じた。 それと同時に、1つの疑問が消え1つの疑問が浮かんだ。 あたしに向けられなかった愛情。 その意味がわかった。 あの人は、ヨウの母親であってあたしの母親ではなかったからだ。