目の前には、再起不能になったジュンが転がっている。


少し離れたところにいたARESの副総長が、俺を睨んでいた。


「よく、手を出さずにいたな。」


鉄パイプをコロンと投げ捨ててそいつを見る。


「まぁ、それも限界だったみてぇだけど。」


握られた拳からは血が流れていた。


ジュンの加勢に来たかったけど、ジュンが手を出すなっつってたからな。


実に忠実な、総長思いな部下だな。


「来いよ、立ち上がる気力もなくなるくらいに。ぶっ潰してやるよ。」


気づけば、後ろではまた乱闘が始まっていた。


「うああああぁぁぁぁぁあああ!!」


怒りで我を忘れた奴ほど。