総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】


殴りあう中で悦に浸れる。


血が騒ぐ、コイツを殴りたいと言う。


どうしたら蹴り飛ばせるかを頭が、必死に考え出す。


「悪くねぇ。少しばっか耳がいいらしいが。」


俺は、足音を立てずに奴のもとまで走り寄った。


霧の様に敵を惑わせ、猫のように静かに忍び寄る。


俺自身も、『霧猫』と呼ばれていた。


「俺の足音、聞こえるか?」


「!!」


そのまま右手を振り上げ、奴の頬にねじ込む。