殴りあう中で悦に浸れる。 血が騒ぐ、コイツを殴りたいと言う。 どうしたら蹴り飛ばせるかを頭が、必死に考え出す。 「悪くねぇ。少しばっか耳がいいらしいが。」 俺は、足音を立てずに奴のもとまで走り寄った。 霧の様に敵を惑わせ、猫のように静かに忍び寄る。 俺自身も、『霧猫』と呼ばれていた。 「俺の足音、聞こえるか?」 「!!」 そのまま右手を振り上げ、奴の頬にねじ込む。