総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】


ウィーンとフルスモークの窓が開かれる。


「どんな形でもいい。生きて帰って来いよ。」


ヒサが窓から顔を出してみんなに言う。


「なめんな無傷で帰って来てやるよ。」


「サヨのちゅ~もあるしな。」


カラ、アサがニッカリ笑う。


ミズキがバイクごとあたしのもとまで来てくれる。


「いいか、不安になったら。思い出せ、俺達の事。握れ、そいつの手を。」


相変わらず無愛想だけど、わかってる。


そっぽ向いてるその顔が、赤いこと。