ウィーンとフルスモークの窓が開かれる。 「どんな形でもいい。生きて帰って来いよ。」 ヒサが窓から顔を出してみんなに言う。 「なめんな無傷で帰って来てやるよ。」 「サヨのちゅ~もあるしな。」 カラ、アサがニッカリ笑う。 ミズキがバイクごとあたしのもとまで来てくれる。 「いいか、不安になったら。思い出せ、俺達の事。握れ、そいつの手を。」 相変わらず無愛想だけど、わかってる。 そっぽ向いてるその顔が、赤いこと。