総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】


「「じゃんけん」」


少し遠くから聞こえる、2人の声。


「「うらぁっ!」」


そこでは、何か落ち込んだ様子のミズキと両手を天井に向けるカラがいた。


カラはあたしのところまで歩み寄り目の前に立った。


そして、下ろしていたあたしの両手をギュッと握りながら、そっとあたしにしか聞こえないような声で。


「自分で、真実を見てこい。俺達はちゃんとおめぇの手握っててやるから。」


そう言って左目にキスを落とした。


握られている両手からカラの体温が伝わってくる。


「うん、離しちゃ・・・いやだよ・・・?」


そう言うと、少しびっくりした顔をしながらも。


「あぁ、絶対ぇ離さねぇ。安心しろ。」