【どうか傷つかないでください。私の大切な人。】 【もちろん】 あたしたちは、2人で笑った。 「はいっ、次々~。」 陽気な声と共に、あたしの前に来たのはアサ。 きつい時、いつもアサに助けられた。 アサはそっとあたしの左耳に唇を寄せ。 「どんなに苦しい真実が、待っていようと。笑顔だけは忘れんな。笑顔だけで乗り切れることもあるから。」 そう言って、あたしの左耳に短いリップ音を残しきれいな笑顔を見せてくれた。 だからあたしも。 「わかった。絶対に忘れないよ。」 最高の笑顔をアサに贈った。