奴はソファーの上で女を押し倒していた。
…いいご身分だ…
俺は、あの組を本気で潰すつもりだった。
女がいたら邪魔だ。
そう思った俺は戦いが始まっている中、ソファーにまわりこんだ。
ソファーに寝ている女を見た瞬間、周りの騒音が消えた。
制服から見える白い肌、スカートからのびる細い足。
整った綺麗な顔にはキスをしたくなるような薄い唇。
そして…何も映そうとしない闇の中にある瞳。
俺を見て、怯えたような安心したような顔をした。
その後、女は倒れた。
迷うことなく、俺は女を抱き上げた。
「アキ、あとは頼む」
「分かりました」
この時から俺の人生は少しずつ色がついてきた。
彼方が俺の全てを変えたんだ。

