阪本雄大―Side
俺は今、世界で一番好きな彼女と一緒にスーパーに来てた。
でも、さっきまでは本気でキレてた。
平野元気に。
昨日、アイツが彼方に渡した手紙を読んだ。
そこには…
“文化祭で必ず彼方をアナタから奪います。
俺は彼方を愛してます。絶対に負けない。
覚悟しておいてください”
そう書かれていた。
きっと今日のメイド服は俺への宣誓布告だろう。
でも…俺は彼方を絶対に離さない。
彼方に会ったあの瞬間から…
あの日俺達はずっと敵対していたある組へ乗り込んだ。
ヤクザ同士、お互い死を覚悟の戦いになる。
…はずだった。
乗り込んだ俺達は向こうの組長と顔を合わせた。

