闇の王子様




「いえ…ちょっと待ちました」


「…食べないのか?」

「何か…見てるだけでお腹いっぱいで」

「彼方は細すぎるから食わなきゃ」


「でも…」


「彼方のために焼肉なんだぞ?」


「えっ…」


「だからほら」


目の前のお皿にお肉がどんどんはいってくる。


食べよう…


久しぶりの焼肉。
昔、お父さんが生きてた時は行ってたな。


「うまいか?」


「はい。美味しいです」

二人で楽しく食べていると…


「あれ?兄貴?」


通路から誰かがアキさんに話し掛けていた。

目の前のアキさんは驚いている。


通路を見ると、かっこいい男の人がいた。


この人“兄貴”って…

もしかして…


「すいません。俺の弟です」