闇の王子様




「…じゃあ、行くぞ」

二人で下に行くと、もうアキさん達が待っていた。


「「………………」」

私達を見て皆の動きが止まった。


「おい、どうした」


雄大さんの一言で皆が私達に一礼した。


「あの…」


「「彼方さん!可愛いです!」」


この家には約30人いる。

なのに、こんなに揃うなんて…



「あ…ありがとうございます」


「おい!見るな!」


雄大さんが私を後ろに隠した。



「若~いいじゃないですか~」


「ラブラブですね」


「いいな~」


皆が口々に言った。


「…恥ずかしい…」


後ろで小さく言った。


「もういい。行くぞ。車に乗れ」


約30人が車6台に収まった。


私達は一番前の車に私と雄大さんの二人だけ。