「あ…悪い」
「どうしたんですか？」
絶対に態度がおかしい。なんか…動揺してる。
「なぁ…彼方…」
「はい？」
「あの…年上は…好きか？」
「年上ですか？」
「あぁ…どうだ？」
「あまり離れてると恋愛対象にはなりませんよね」
「…そう…か…」
あきらかに、阪本さんが落ち込んだ。
「でも…」
阪本さんが私を見た。
しっかりと目が合ったまま…
「阪本さんは、大好きです」
そう言った。
「彼方…」
途端、落ち込んでいた目が輝いた。
「阪本さんは、特別です」
「彼方…ありがとう」
「わっ…！」
また阪本さんに抱きしめられた。
私も、ゆっくり…手を阪本さんの背中にまわした。
そうすると、私を抱きしめていた手にまた力がこもった。
それに応えるように私も力をこめた。
