「朝、元気くんと屋上に行って…そこで渡されたの。阪本さんにだって」
手紙を封筒から取り出して読んでいた阪本さんは手紙から顔を上げて私を見た。
「彼方。」
「えっ…はい!」
「文化祭はいつだ」
「文化祭?」
「いつだ」
文化祭…去年の記憶を必死に呼び出した。
「たしか…2ヶ月後くらい?」
でも、去年はあんまり参加しなかった。
一人だったし…
「2ヶ月後…そうか」
「あの…何か?」
「いや…」
手紙に何が書かれていたのかは教えてくれなかった。
「若、着きました」
あれから阪本さんは一言も話そうとしない。
「「………………」」
無言のまま部屋に連れて行かれた。
バタンッ
「あの…阪本さん」

