アキさんが運転か…
アキさんは何かと私を気付かってくれるから好き。
「ったく、アキに喜びやがって…」
「でも…阪本さんが来てくれたことが嬉しいか…な?」
「彼方…マジで…」
もう一度私を抱きしめて、歩き出した。
門の外に黒い高級車が止まっていた。
そこに立っていたのは…
「アキさん!」
黒いスーツに身を包んだアキさんだった。
私はアキさんに向かって走り、抱きついた。
「アキさん!」
「うっ…彼方さん?」
「はい!」
私がアキさんから離れないでいると後ろから何かを感じた。
ゆっくり振り返ると…
「彼方。」
全身から黒いオーラを出している阪本さんがいた。
怒ってる?
「怒ってるんだ。車乗れ」

