「彼方ちゃん。そろそろ逃げないでよ。」



借金取りがもっと強く私の肩を抱いた。



「払えないならさ、事務所に来てよ。

彼方ちゃん可愛いんだからさ♪」



クラスメイトは誰一人、私達を見ない。


と思った。





「おい、離せよ!」


突然、怒鳴るような声が聞こえて私の体が自由になった。



私はびっくりして声の方を見た。




「元気くん…」



そこには、学校でもモテモテの平野元気くんがいた。




「あ?ガキが偉そうな口叩きやがって」