「ここにいるやつは、お前の味方だから。
笑っていいんだぞ?
泣きたければ泣けばいい。
本当のお前を、皆が受けとめる」
「私…笑ってますよ?」
にっこり笑って見せた。
「嫌…本当の笑顔じゃない。
お前は心のどこかで俺達に遠慮してる。
何かに怯えてる」
…怯えてる…
「ちょっとずつでいい。俺達と仲間になろうぜ」
「はい。ちゃんと笑えるようになります!」
阪本さんが優しく私を抱きしめた。
まだちょっと恥ずかしいけど…
「なぁ、彼方…」
私を抱きしめたまま阪本さんが話し始めた。
「あの、元気って奴とあんまり話すなよ…」
「元気くん?」
「あいつ…彼方のこと好きっぽいじゃん」
「…そんなことある訳ないですよ」
元気くんは学校中の人気者で、男女みんな彼が好きなんだ。
そんな元気くんが私なんて…