「だから、昨日の阪本さんの声が…怖かった。

私を殴るんじゃないかと思って。
ヤクザも…怖いんです。
でも…阪本さんだけは信じようと思って。」

「彼方…」


「ゴミ箱蹴った時…すごく怖くて。」


「悪かった。そんなことがあったなんて…」

申し訳なさそうな声が聞こえた。

阪本さんのせいじゃないのに…


「いいんです。でも!元気くんとは、本当に何にもないんです。

借金取りが学校に来た時に、元気くんだけが助けようとしてくれたんです」


「…そうだったのか」

「はい。今日、あの後ずっと阪本さんが頭から離れなくて。
阪本さん…いつも気がつくと貴方のことを考えてます」


「俺もだ。」


えっ…


「俺は、昨日お前を初めて見た時に…


彼方に惚れたんだ。」