「彼方…話してくれないか?」


「…私、虐待されてたんです。母親に」










きっかけは小さなことだった。


お母さんが連れてきた男の人を私が無視したから。



その時は、私にビンタをした。


お母さんが私に手をあげたのは初めてだった。


でも…この時を境に、虐待が始まった。


虐待は日々エスカレートしていき、私は気を失った。


目が覚めたときには、誰もいなかった。



そして…二度とお母さんは帰って来なかった。