「阪本…さん…」


「もういい」


えっ…


「待ってください!私の話を聞いてください」


私の声は聞こえないような感じで阪本さんが部屋を出て行った。


私…本当に何にも…


「阪本さん…」


必死に阪本さんの後を追った。


けど…一回も私の方を見なかった。


何でこんなに泣きそうなの?


「一回外に行こう」


私は家を出た。

今は夕方、ちょっと暗くなっていた。








…私…何したのかな

何であんなに怒ってたの?


正直…怖かった。

お母さんと被った。


何で…


止まったと思った涙が流れはじめた。


「阪本さん…」


「彼方…」


えっ…?


「さか…も…とさん?」


目の前には息をきらした阪本さんが立っていた。