「阪本さん…?」
「彼方ちゃん、遅れちゃうから行こう!」
元気くんに手を引かれて強制的に連れていかれた。
元気くんのおかげでクラスから変な目で見られることはなかったけど…
朝の阪本さんが気になって仕方がなかった。
アキさんに番号を渡したけど、阪本さんから着信はない。
どうしたんだろう。
今日の授業は全く頭に入ってこなかった。
学校が終わったら、すぐに帰って阪本さんと話そう。
そう決めた。
キーンコーンカーンコーン
私は鞄を持ってすぐに教室を出た…出ようとした。
「彼方ちゃん!この後さ、よかったら遊ばない?」
えっ…
「ごめんなさい。私、阪本さんの所に行かなきゃ。」
それだけ言って元気くんの前を通り過ぎた。

