「ん…あ…れ?」
次に目覚めた時はベッドの上だった。
あれ…?
私…何で…
そうだ。
息が苦しくなって…それから?
…ここは?
阪本さん?
「…阪本さん…」
「彼方!」
扉の向こうから阪本さんが顔を出した。
「阪本さん…私って」
「元気そうでよかった。気分はどうだ?」
安心しきった顔が私に向けられた。
「はい。大丈夫です」
「突然倒れたんだ」
そうか…お母さんの声に似てたんだ。
「あの…すみませんでした」
あの時は突然息が苦しくなって、意識が朦朧としてきた。
そして…お母さんの顔が頭に浮かんだ。
すごく怖かった。
でも…嬉しかった。
頭に浮かんだお母さんの顔は笑ってた。

