「あの!お名前は…」

一番に並んだ人が私に聞いてきた。


「えっ…増田彼方…です」


「彼方ちゃんか…可愛いっすね!」


「次は俺ッス!あの、どこに住んでるんですか?」


「隣の市です」


「あっ!俺の実家もです!」


―――――…


それから、私に対する質問は約10分続いた。


「もう満足か?」


阪本さんが聞くと、皆が笑顔で頷いた。


「悪いな…こいつら、テンション上がると面倒でな」


「いえ…」


ちょっと…疲れた。


「若!彼方さん!座ってください!」


部屋にあった机のところに私達は座った。


皆の視線が…痛い


「彼方さん!お腹空きませんか?」


…そう言われれば…


「はい…」


「おい!飯もってこい!」


私に聞いてきた人の一言でそこにいた30人くらいの人達が動きだした。