ガチャ…


ビクッ!


目の前の扉を開けると、いくつものギラギラした目が私達を見ていた。


あの借金取り達の目に似ていた。


私は前にいる阪本さんに抱きついた。

自然と身体は震えていた。



「彼方…こいつらは大丈夫だから。
お前を襲ったりしない」


震えている理由がきっと阪本さんには分かっている。


阪本さんの腕が私を包んでいた。



だから私はゆっくりその人達を見た。


「えっ…」


皆は笑顔で私を見ていた。



「あの!お嬢さんの名前って何ですか?」


「いくつですか?あっ制服…高校ですか?」

「若との関係って…」
「アホか!それは駄目だ!」


「どこから来たんですか?」


私に向かってたくさんの質問がとんでくる。

「いや…」


「おい!一人一人聞け」


阪本さんが言うと皆が一列に並びだした。