“今日からここに住む”


「私…明日家に帰ります」


「何故だ」


阪本さんが苦しそうに顔をしかめた。


「何故って…私に光が似合わないから」


そう。忘れてた。

私はお母さんに捨てられた。
あの時の悲しみは、私の心を闇に染めた。


今も…私は闇でしか生きられない。




「彼方…?」


「私は…闇にしか…いられないから」


「闇…?」


「私にとって、阪本さんは眩しすぎる」



阪本さんの心が純粋で…私には眩しい。



「彼方。お前は間違ってる」


間違ってる?


「俺は…ヤクザだ。闇で生きてる」


「阪本さん…」


「一緒だろ?だからさ、一緒に光で生きれるようにしようぜ」


“光で…一緒に…”


「彼方…ここにいろよ」