「おいでよ、彼方ちゃん」


私は携帯と阪本さんの電話番号を握りしめた。


阪本さん…助けて…



「彼方ちゃん、どうしたの?」


阪本さん…


携帯で阪本さんの番号を呼び出した。



プルルル…


「誰だ」


阪本さん…


「阪本さん…助けて…」


「彼方…?」


「お願い!助けて!」

「落ち着け!今、どこにいる!」


「阪本さん!」


「ねぇ、彼方ちゃん。」


「キャッ!」


男の人が後ろから抱きしめてきた。


「離して!キャッ!」

「彼方ちゃん、可愛い!」


「阪本さん!」


電話はもう切れていた。


阪本さん…やっぱり裏切られたか。


「彼方ちゃん」


私はベッドに押し倒された。




もう…やだ…




私の頬を涙が伝った。