――――…
「彼方、毎日休まずに働き続けろ。」
私は今、知らない建物内の個室に組長と二人きりだ。
「彼方、分かったか」
「…はい」
そう言って組長は部屋を出て行った。
私…何やってんだろう。
阪本さんが、私を止めてくれたのに…
阪本…さん…
私…一人じゃ何もできないのに…
ごめんなさい。
ガチャ
阪本さんを考えて涙を流していると、扉が開き男の人が入ってきた。
誰…?
「君、彼方ちゃん?」
「誰ですか?」
「今日はよろしくね」
今日…?
「ここで働いてんでしょ?
僕が初めてか…嬉しいね」
嘘…イヤ…
「彼方ちゃん可愛いね」
嫌…
「彼方ちゃん」
来ないで…

