彼はゆっくりと頷いた。 「ありがとうございました。」 私は出来る限り笑って言った。 「彼方…」 阪本さんが笑い返してくれた。 私は不覚にも少しキュンとした。 「でも、私…明日学校だから…」 「今日一日だけでも、家にいろ。」 そう言って、また私の手首を掴んだ。 「まだ危ないんだ。」 阪本さんはそう言って私を離してはくれなかった。 「でも…ご迷惑ですから。」 「迷惑じゃない。」 「私は、大丈夫です。 何があっても。」