早く逃げなきゃ。
私は勢い良く扉に向かって走り出した。
こんな所で死にたくない…。
でも、私の考えは甘かった。
パシッ
私を押さえていた男に手首を掴まれた。
「どこに行く気だ」
「ごめんなさい…必ず、働いて返しますから。」
私は必死に頭をさげた。
涙を流しながら。
すると…
「…泣くな…」
か細い声が聞こえた。
顔を上げると男の人は切ない表情をしていた。
そして、言った。
「頼むから、泣かないでくれ。
俺から離れていかないでくれ。」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…