「彼方さん?ご飯の準備ができましたよ」
声の方を向くと扉から身体を半分だしているアキさんがいた
「ありがとうございます!あ、アキさんの弟さんと今日会いましたよ?
えっ…と。裕樹さん?」
私がそう言うとアキさんは少し呆れた顔になった
「あいつ…何かされませんでしたか?」
アキさんの言葉に私は首を横に振った
「全然。むしろ昨日私の方が裕樹さんに悪いことしちゃいましたから。」
「彼方さんが気にすることなんて何もないんですよ。
さ、夜は身体が冷えますからね。中へどうぞ。今日はハンバーグですよ」
アキさんの笑顔につられて私も笑顔になりながら家へ入った
「あ、アキさん」
「どうかなさいましたか?」
リビングへ続く廊下を歩きながらアキさんに明日のことを話した
「明日、クラスの打ち上げに行くので夕飯はいらないです。
すみません…」
「打ち上げ、ですか。
それは楽しそうですね。思いっきり楽しんできてください!」
「ありがとうございます!」
「さっきの電話はそのことだったんですか?」
「はい!元気くんが連絡してくれたので…楽しんできますね!」
「彼方さんには笑顔が似合いますからね」