闇の王子様





「お気をつけておのりくださーい」



観覧車乗り場では係の人が忙しそうに動いていた




「次のお客様ー!こちらへ」




そう呼ばれて私たちは観覧車へ乗った




「…わ…ゆっくりですね」



観覧車から外の風景を見て私はつぶやいた


「そうだな。楽しいか?」



私は外を見たまま頷いた


初めての観覧車…普通この歳で初めての人はいない。


でも…しょうがない。
私だって、好きで乗らなかった訳じゃない


私だって…乗りたかった




家族三人で…




お父さんが生きていた頃はお母さんはとても優しい自慢の母だった


料理は美味しいし、家事も完璧で、いつも正しいことしか言わなくて…


お母さんがいるだけで、家庭が太陽のように明るかった




私もお父さんもお母さんも笑いあって、ご飯を食べていた