「雄大さん?」


「んっ?」


雄大さんは運転をしながら返事をした


「遊園地って…楽しいですか?」


「あぁ…きっと彼方が気にいる」


そう言って雄大さんは私に向かって笑った


「パンダとかいますか?」


「パンダ?」


「はい!着ぐるみのパンダです!」


「どうだろうな」



「私…遊園地とか初めてで…


でも、雄大さんが初めてでよかった」



隣にいる雄大さんの顔を見ると少しだけ赤かった


「?どうしたんですか、雄大さん」



「彼方…それ…」



「はい?」



「もうすぐ着くから」



「観覧車乗りたいです!」



「一緒に乗ろうな」



初めての遊園地…ワクワクが止まらなかった






「彼方、着いたぞ」




バタンッ





車から降りるとたくさんの家族が楽しそうに笑っていた



……羨ましい。



そんな感情が私の中に表れた




「彼方?どうした?」




「えっ…雄大さん…」




気づいたら私はたくさんの家族を見たまま固まっていた



「彼方…行くぞ」



そう言って雄大さんは私の手を握って歩きだした


その手は、すごく優しく私を包みこんでいた